日本シャーロック対決の秋
本日より、
ドラマVSアニメの「シャーロック」対決がこの秋勃発するってご存じですか?
えーっと
ホームズマニアの僕が言うのも、なんですが…大丈夫でしょうか?
フジテレビ月9で『シャーロック』が本日より開始となります(せっかく視聴率回復したのに、どうしたよフジテレビ…)。
テレビ情報雑誌などをぺらぺらと捲ってみたところ、
ビジュアルの前評判のみの情報しかあまり出ていなくて、シークレットなのかなんだか上っ面な写真掲載記事しか載っていないですね。ストーリーがまったく入ってこない。イケメン男子二人が共同生活しているというのが、ホームズではないからな!
過去にも心配して記事を書いた僕ですが、
さすがにもう心のそこから大丈夫なのかということを問いたいわけです。
そもそもシャーロック・ホームズというのは、誰もが知る名作であります。
だから古典を大事にして欲しいし、原典をリスペクトしていてほしいし、何ならオリジナリティ出すの本当はやめてほしいくらいです。
僕の中で、ワトソン博士が女性になっているのはどちらにしてもボツ必至です。
一応全部見るけど、すごいなと思ったものは一つもありません。
それくらい、ドイル氏の描いた原典は出来が良いのです。
だから安易に手を出していただきたくない!
本来、BBC「シャーロック」だって現代版アレンジってだけでアンチ枠だったのですが、製作スタッフの原典愛がすごすぎて、敗北しました。
これだけリスペクトしてくれて、マニアすらうならしてくれる仕掛けが満載であるならば、負けを認めるだけです。
認めております、BBC!
Sherlock 2020 Calendar - Official Square Wall Format Calendar
だからこそ心配!
ドラマ『シャーロック』。
日本が誇るホームズマニアがこぞって監修しているようなことでもない限り、そのタイトルのでかさにつぶされてしまう気がします。
最終回になんか行く前に挫折するか、来週あたりに誰よりも酷評していたらどうしよう!
だって、もうほらすでにシャーロックとワトソンの名前すら付いていないじゃないか。
頭文字しか合ってないじゃないか。これは織田裕二のあれと同じにおいがぷんぷんしますよー。
観ながらアレルギーとか出そう。
発狂とかしてしまいそう。
どうしよう!
隣の人に奇声を聞かれたらどうしよう!
などど思っていた矢先に
オリジナルアニメでもシャーロックと名のつく番組が同じ10月から開始になります。
しかもこちらは2クールと決まっている…。
『歌舞伎町シャーロック』
まさかの同時開始とはね。(ちなみに、11日深夜アニメで開始されます)
そしてキャストが発表になっているんですけど、このアニメ、侮れません。声優陣の力の入れようですよ。キャストのすごさだけなら負けてないよ、ドラマに。
気になるよ、ハドソン夫人の声優:諏訪部順一さん…。歌舞伎町だからか?
歌舞伎町という地名をタイトルにまで使っておきながら、アニメ版登場人物はほとんど原作どおりときています。
そして製作がプロダクションアイジーとな。なかなかクオリティーのアニメが期待できるのかもしれないと自称アニメ好きが予測するかぎり、勝負はちょっと着いている感は否めません。
が、あくまで原作にコナン・ドイルを置いて、アニメもドラマも独自のストーリーでシャーロックを創り上げていくようですね。
もはやこれは怖いもの観たさなのか苦行なのか。
和製シャーロックはどちらが僕のお気に入りの英国紳士枠に近づくのか? いや、むりか?
どちらにしても、一度くらいはどちらも感想を今後もこのブログで書いていければと思います。
…視聴した際に自動的に魂抜けてしまったら、書けないかもしれないという敗北宣言。
英国紳士を考察5「挿絵とイメージ」
グラナダTVが、特にこだわって原作を大事にして製作した「シャーロック・ホームズの冒険」
実は原作に寄せているというよりは「挿絵」に寄せているというところが正解です。
BBCホームズの劇場版『シャーロック 忌わしの花嫁』でも、
新聞にホームズとの事件の記録を載せているホームズの伝記作家ワトソンは、
挿絵画家のせいで髭を伸ばさなければならなくなったとハドソン夫人に愚痴っています。挿絵で世間のイメージが決まってしまう時代だったのでしょう。
実際、原典においてワトソン自身に「口髭の紳士」という表記はないわけです。
まあ、一人称で書いているので、自分の風体を表記するなんてことしないのですが。
何よりドイル氏は会話のやり取りをしている時に、別の情報を入れることをしない人です。海外の作家の文章って、こういうの多いんですよね。
日本人作家なら鍵括弧が続きすぎるのは嫌うので、どうしても相手がどういう表情やしぐさをしたというような間というか情景描写を入れるんです。
ホームズだって「鹿討帽をかぶって出かけた」ということが文章表記で書いてあることは無いわけですから、まさに描いた挿絵担当のパジェットの功績というか、責任というか。その後、全世界に知られ語り継がれるホームズの、全ての基準となる挿絵を描いた男としてもっと名前を認知されるべき人。
※過去の僕の記事でも語っております。
当時は髭を伸ばして整えているのは紳士のたしなみのように言われていました。作者のドイル氏もそれはそれは立派な髭を蓄えてらっしゃいます。
髭って面倒なんですけどね、伸ばしてる人とかほんと尊敬します。とはいえ、毎日剃るのも大変だし、仕事的に剃らないわけにいかないし、今の時代に口ひげ生やしてたら、上級のオシャレ紳士(イメージ:おひょいさんこと藤村俊二)かかつての文豪に憧れている奇人(イメージ:日本紙幣に載るような偉人のオタク)の二択しかない。
僕の場合、間違いなく後者とされてしまうでしょう。どうがんばってもオシャレ紳士には程遠い事実があるからです。ええ、自覚もありますとも。
鼻の下らへんがもぞもぞするのも食べ物や飲み物が付着するのも、それを気にしなきゃいけない生活を送るのも好きじゃないし、間違いなく個人的に髭は伸ばさないんですけどね。
犬とかも大変だろうなと改めて思う今日この頃。
そういえば先日、たれ耳の犬用にご飯皿に耳が入ってしまわないようにヘアバンドがあると知りました。
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コレは暑い時期にクビも冷やしてくれると言う優れものらしい。うちの犬(先代)もたれ耳種でしたが、お皿に入る程ではなかったので、その存在を知らなかったですが、ちょっと使ってみたかった…。見てみたいというだけの好奇心。
耳の病気になったときには、耳の中の通気を良くするために、スポンジをつけたクリップを作成して、両耳を後頭部で止めてあげていたのですが、これも最初のうち嫌がってたな。一生懸命褒めて、
「かわいい! オシャレ」
と煽て認識させたらそんなには頭を振ってとろうとはしなくなったときには、なにその女子力!と感動したものです。(多分、通気のおかげで症状が緩和していくことに気付いたんだろうと思うけど、女子力のせいにしておく)
もとい…
この耳バンドのように、当時流行してた紳士のたしなみ口髭もやっぱり汚すのは嫌という人が多かったようで、ブロックする専用のアイテムがあったのだそうです。
食器メーカーのノリタケを訪れた際に、ノリタケミュージアムに展示してあって「さすが紅茶をたしなむ国、まさに英国紳士」と大爆笑したのを覚えています。(バカにしているわけではない)
『ムスタッシュカップ』というもので、カップそのものに髭カバーとでも言うのかな、ミルクティーとかが髭に付かないようにガードをするわけですね。紅茶ってほら、香りを楽しむためのものだから、ティーカップの口を全部覆うのではなくて、髭だけをカバーすることに拘った形。
スタバの持ち帰り用カップ蓋(こちらは、トラベラーリットという物体らしい)もいわゆる髭カバーではあるけれども、あれはこぼれないようにするためだったり、保温のためだったり、カプチーノの上部にある泡が一気に入ってこないようにバランスをとりながら飲むためだったりと、諸説ありながらも用途が結構あるわけですよね。
でもあれじゃだめなんですよ。なんてったって香りが楽しめないから。
だからカバーするためだけのヒゲ紳士用のカップを作る発想。
裏面洗うの面倒そう…(個人の感想です)
口髭紳士専用のスプーンもあったらしい。
もう剃ってしまおうよ、それは(個人の見解です)
髭用のカバー付カップ…だめだ、やっぱ笑えるわ。
ワトソン博士はパジェットが挿絵に髭を描いてくれたがために、
この髭カバー付のをハドソン夫人が購入してわざわざ使用していたのかというようなことを妄想してしまいます。
これって家用なのか?
来客用もあるのか?
5客セットのティーカップのうち、何個かをムスタッシュカップにしなければならないのか?
普通のカップに装着して使える便利な携帯式とかもあったのか?
必ず携帯していて、バーでは「ビールの時も安心」ってのも紳士のたしなみなのか?
ビクトリア朝の謎光景を考察していると、ニヤニヤが止まらないのです。
図説 英国ティーカップの歴史 増補新装版: 紅茶でよみとくイギリス史 (ふくろうの本/世界の文化)
ラインヘンバッハの滝 Reichenbachfall
滝というのは、夏の暑い時期に観光するにはもってこいのスポットらしいです。
滝が好きです。
というか、水が溢れて落下する様が好きです。
音も好き。噴水でもいい。
怒られないなら、出しっぱなしの水道でもいい。
ポンプ式の井戸とかもう最高。
一生見ていられるよ、だから怒られないならねと思ってしまいます。
動画あさりをしていても、時々海外の滝に行き着いてずーと見ていることがあります。
無意識に滝に惹かれているんだなと感じます。
『世界の車窓から』は鉄道の番組と思われているでしょうが、実はその車窓からの風景が取り上げられているんです。つまり、たどり着いたらコレに出会えるよ、とかって感覚。これもお勧め。
滝といえば、ライヘンバッハの滝。
ホームズとモリアーティが最後の死闘を(なぜか素手で)繰り広げ、ホームズが勝利した(というか落ちなかった)ということで有名な場所です。ホームズファンの間では。
僕は当初、これを架空の場所だと思っていたのですが、スイスに実在する滝であると聞いてしまいました。
聞くと行ってみたくなるという好奇心はありますが、残念ながら凡人は何より海外が苦手。飛行機がすこぶる苦手。ヨーロッパまでの飛行距離、不可能。
その選択肢、皆無。
本当に英国紳士に憧れているのかという疑惑が生まれまくっておりますが、憧れるくらいいいじゃないか!
ということで、世界の滝の動画再生に留まり、「現地まで滝を観るために赴く」には及んでおりません。
日本でも滝は見れるということで、ラインヘンバッハには絶対似ていないだろうなりに、いくつか滝巡りをしたことがあります。
憧れる滝はラインヘンバッハなので、まずは日本一の落差の富山・称名滝(しょうみょうだき)へ。
雪解け水により水量が上がり、滝壺へ飲み込まれるというような構図を求めていったために、春先を選んで観光に出かけたました。
コレがよくなかった。
なにより寒い。
まず寒い。
かなり寒い目にあい、
「滝に出会う前に凍死するんじゃないだろうか、この観光地で!」
と一人でブルブル震えていたことを思い出します。
まさに会いたくて会いたくて震える…。
カナ、的確。
我慢して辿り着いたそこに、理想どおりのラインヘンバッハの滝があって感動しました。
この表紙がその場所。
一直線の滝よりも段差にぶちあたって水流が折れているところが、想像力を掻き立ててくれます。
あの辺で教授と組み合っていたのかな?(ここ富山だよ)
とか
どのタイミングでホームズが助かったのかな?(だから、日本だってば)
とか
を想像して水音を聞きながらしみじみと眺めている
…と、マジで凍死するって! マッチ売りの少女ばりの緊張感だよ!
早々に退却しました。
誰か寒いんなら寒いって教えといてくれてもいいじゃないか!(今思えばどのガイドにも書いてあるし、常識で考えても判りそうなものではありますが)
温泉宿を予約しておいて正解だったよ。
ああ! 日本人に生まれて良かった!
実際には温泉に浸かってた思い出しかありません。
栃木・華厳の滝(けごんのたき)にも行きました。
音はとてもすごかったので、滝っぽさがよかったです。距離も近い感じがしたので、圧倒されました。
天候によってかなり印象が変わってしまう滝も多いらしい。実際、本当は1本の滝を見たくても、結局流れこんできた別の滝があってラインヘンバッハではなかった冨山の滝はちょっとだけ残念。それに滝は名所とあって客も多いんですよね。
出来たらどちらも物悲しい雰囲気をかもし出していてほしいので実は観光シーズンをはずして行ってみたい。
一人がいい。
孤独が僕を守ってくれるから。
しかしそれはきっといろんな人に止められるんだろうな。怪しまれるんだろうな。
別に誰かを殺しに行くわけでも、
自分が飛び込むわけでも、
『マドンナたちのララバイ』を唄いたいわけでもなくて、
ただホームズの気持ちになりたくて行くだけなのに(なら日本国外に行けよ)。
この夏、とても暑かったのでそんなことを思い出していました。
英国紳士を考察4「ドイルの描いた変人」
先日、ディオゲネスクラブについての記事を書いたところ、
原典においてはどれだけ変人の巣窟扱いをされていたかを確認すべく、
もう一度読み返してみた僕。
こういう作業を僕はよくします。
確認のため、時々原典は読み返すように記憶だけで話す事はあまりしないようにとしているのですが…
うん、変人だ! やっぱり変人だ!
確認終了。
いやー、よかったよかった。記憶どおり。
ということではなく、
僕が記憶していたよりも弟の
「兄は変人なんだよ、ワトソン君」
という紹介文が淡々としていて、久々にはまってしまいました。
シャーロック・ホームズの冒険 ギリシャ語通訳/ノーウッドの建築業者 (英日対訳ブック 特典DVD付き)
翻訳においてどれくらい意図と悪意が入っているかは計り知れませんが、
マイクロフトは絶対的に変な人で、そんな人たちはロンドンに何人もいて、
そいつらが創った誰とも交流しない社交場がディオゲネスクラブなんです。
ドイル氏は
「主人公であるホームズを変人として描いていて、そのホームズ自身が、『兄ほど奇抜な人間はロンドンにはいないよ』というわけだから、中途半端な描き方では、マイクロフトとういう変人の色が出ない」
とでも考えたんじゃないかと思うわけです。
ところで、ドイル氏はとてもこういった常人では思い付かないような団体を作り出すのがとても得意です。
SF作家でもある彼の才能といえるでしょう。
ディオゲネスクラブ
人間不信な男たちがあつまる、誰とも口を利くことが許されない社交場
赤毛連盟
赤毛の男しか入会することが出来ない簡単で単純な仕事をするためだけで赤毛だった大富豪(故人)の遺産から収入を得れる団体(モリアーティ教授による架空の団体)
三人目のガリデブ
世界中であと一人ガリデブという名前の男を見つけてくれたら、三人で遺産を山分けしていいよと言い残した老人の話(出不精のガリデブ先生を外に出すための架空の話)
あ、『赤毛連盟』と『三人のガリデブ』って話の筋が実は似ているんだな。
たしかに、ホームズという人は興味のある事件にしか意欲を示さない人です。
ありきたりな捜査はでくだらないとし、依頼者の話すら聞かないらしいですから。
奇抜な事件を起こさない犯罪者に文句を言うくらいの変人ですからね。
ワトソンだって、ありきたりの事件ばかり扱っていたら相棒の手記として世に発表したところで、売れないだろうし(彼は医者という本業があるので、それで稼いでいたわけではないけども)。
しかしそんな人としてはどうなのかというほどの偏ったホームズをグラナダでは格好良く、英国紳士として描いているわけです。
ということで、原典を読み上げた結果、
グラナダ・ホームズが観たくなったというわけです。いそいそ再生。
『ギリシャ語通訳』はDVD五巻。
だいぶ初期のタイトルなので、このときのワトソンは一代目となります。
残念なことに『ギリシャ語通訳』ほど初期になると、完全版には字幕が入っておりません。対応してないのです。
字幕なしではほとんど解読不可能となってしまう僕の英語力ですが、
原典を完全把握している成果が出ているのか、グラナダ・ホームズだけは英語での会話だとしてもヒアリングできるという偏った知識のまま、視聴しております。
どうしてこれで英語力が上がらないのだろうという謎、は置いといて。
NHK放送版にだけ日本語吹き替えがついているのですが、
これがまた残念なことにディオゲネスクラブにホームズとワトソンが入ったところから放送されています。その前のシーンはがっつりカット。
ワトソンがホームズに兄がいると知って驚くところも、ホームズが兄を褒め称えるけれども変人と呼ぶところも、君に紹介したいから今からロンドンで一番変わったクラブに出かけるよというところもカットされています。
したがって、ディオゲネスクラブではしゃべってはいけないという鉄の掟があるよといった詳細が視聴者に伝わらないままに、(冒頭にワトソン役の長門さんがナレーションして流してしまうアレはついています)ワトソンがかなり戸惑って、廊下を歩きます。
来客室に通されて、「もうしゃべてもかまわないよ」とホームズから許可が出ます。
「ああ、たすかった」というワトソンは原作を知らないと全くよくわからない展開です。
ちゃんと再現されているのに、かなり残念。ディオゲネスクラブの部分だけでもちゃんと放送してほしかったところ。そう、この変人クラブ好きの僕は思うのです。サスペンス部分が要点なのはわかるんですけどね。
そういった意味では、BBCのシャーロック(劇場版)で再現されていたこの変人クラブはとても忠実でした。受付では手話で会話してるし。
ん? 会話をしてはならないってそういうことなのか?
そして無言ながら手話している三人はだいぶうっとうしい事実(一応コメディ部分だったから余計アクションでかいけど)
…本来のクラブのあり方とはだいぶ違うのかもしれないと今気付いてしまった。
そうだよな、絶対無言の聖域において、喋ってはならないからといって、ダツダツと体を揺らして警備員を呼ぶシーン、これは違うということには気付いていたんだから、そこにも気付くべきだったよな…。
いろいろ見返すと、ドイルの描き出した変人達が判ります。
そしてそれを愛して表現している変人にも出会えます。
楽しんでいる僕も、やっぱへン人だ。
月9で「シャーロック」
最近のGoogle先生の機能については、かなり感謝できる面が一つありまして、
自分が検索している「あれこれ」
つまりは
もしかしてこの人が興味持ってることは「これ」
を、勝手に予想して気になる(だろう)ニュース記事をピックアップしてくれるお節介機能が付いております。
あ、お節介機能というのは、大抵の場合において外れているからという前提です。
それが当たっていた場合は感謝しますが、それはまあ当たり前と思えるのでこの場合は普段外れているからイーブンということになりますが。
今回、先生がお節介機能を使ってこなければ、この情報は僕には入ってこなかったなという記事を書きます。
それに当たり、とても感謝しております。
月9でディーン・フジオカがシャーロック・ホームズに、相棒ワトソン役は岩田剛典(コメントあり) - 映画ナタリー
ドラマは一気見することにしているので、時間帯はそんなに気にしていません。
しかし「シャーロック」というタイトルからは、もちろんBBCを連想せざるをえませんよねえ。
Sherlock (Soundtrack from the TV series)
一応、情報によりますと、BBC作品との関連はない方向性だと言う事。
あくまでも「令和のシャーロック・ホームズを目指す(このあたりがかなり日本的発想で納得いかないが)、新しい現代日本のシャーロックです」というわけですが…。
注目ポイントはキャストですかね。
シャーロック → ディーン・フジオカ
ワトソン → 岩田剛典
あれ? スマート感しかない二人のコンビがすでにBBCとかぶっていませんか?
もっと無骨感を出してほしいんですけど、どちらかが!!!! 対比として!!!!
コレは原作ファンだからもってしまう物足りなさなのでしょうか。
だとしたら僕が間違っているのか。
制作が発表されただけなので、ビジュアルもまだ判らないし、大筋の情報は見えていないところではあるので、まだまだ未知数。
しかし打ちのめされた例で言いますと
竹内結子さんは好きな女優さんなので期待しておりましたが、
シャーロックであった必要はどこかという疑問点。
名前と要素だけをモチーフにしたということになっていた、こちらの作品。
名前を使っているということに関しては判っていたけども、
それによって後半のキーになるアイテがそもそもばれていると言うのはどうなんだ?
とこちらも問題作。
日本ドラマがシャーロックに手を出してろくなことになっていないのではないだろうかと個人的に思っています。
そういえば、IQ246の方にはディーン・フジオカ出てましたね。
うーん、キャスティング、怖くなってきましたよ。
シャーロックと名が付くだけで注目してしまう僕なので、
まだまだドラマは始まりませんが、こちらの話題は追っていこうかと思っております。
英国紳士を考察3 「マゼランの宝石」とDVD最終巻
シャーロック・ホームズの冒険 完全版 Vol.23 [DVD]
シリーズの中では、最終巻となる23巻。
作品は、
・金縁の鼻眼鏡
・マゼランの宝石
の2本が収録されています。
最終巻ではありますが、グラナダ・ホームズの作品としては、
・ボール箱
が最後の制作とされているので、DVDにおいての最終巻という事になります。
僕は定期的にシリーズ全巻を再生して観ているほどの憧れを発揮しますが、
実を申しますと、この23巻だけはあまり再生していないのです。
作品として『マゼランの宝石』は、シリーズでとても特異な点が二つあります。
一つは、原作における2作品の要素が入っていること。タイトルこそ『マゼランの宝石』ですが、事件は『3人のガリデブ』も同時に発生します。
もう一つは、事件捜査にホームズ本人がほとんど携わっていないこと。
物語の冒頭、ホームズは別の事件の調査のために、出掛けていくシーンから始まり、ワトソンに留守を頼むと伝えます。
ホームズ「第三の目で、見守っているからね」
そのため、ホームズ宛に依頼に来たガリデブ姉妹の話には、ワトソンが調査に乗り出し、ホームズには手紙で逐一報告してます。
一方で、ディオゲネスクラブを訪ねてきた紳士は、マイクロフト・ホームズに「盗まれたマゼランの宝石を取り戻してほしいと弟に伝えてほしい」と伝達係を依頼するのですが、こちらは兄自らが動くという、まったく異例の作品となりました。
結果的に二つの事件は絡み合い、マイクロフトとワトソンという異色のコンビでの事件解決になるのです。
普段は非行動派を公言している(からあの体型になっている)マイクロフトが、活動部隊としている弟に頼まずに自分が動くと言うところもかなり異質。
原因は、当時のジェレミー・ブレットの体調が芳しくなかったため、大幅にシナリオを書き換えることとなったからと言われています。
実際、冒頭に出てくるホームズは、ワトソンと2ショットで映るシーンは無いので多分別撮りです。
最後にも登場します。
事件を解決した兄に対して、ホームズは見ていたよずっと、とばかりに「ブラボー」と兄を讃えて振り返り闇の中に消えます。もちろん別撮りです。
事件解決のために、ワトソンの方に助言となるメモを使者の手を通じて渡しますが、この時ホームズ自身は出てきていないので、作中に登場するのは最初と最後だけ。
最後のシーンなんて、去っていくホームズがもうお別れ感を暗示しているかのようで、僕的には観てらんないんです。と言う理由から、僕の再生率がぐんと下がるわけです。
NHKでの放送当時、ジェレミーの容態など知らない僕は、久々のスペシャル版にわくわくしていたのですが、コレはホームズなのかとガッカリした記憶もあります。
後にいろいろと調べて、原因を知るのですがそれほど深刻な状況なのだとも思っていませんでした。その後、大人買いしたDVD完全版。
シャーロック・ホームズの冒険 完全版 [レンタル落ち] 全23巻セット [マーケットプレイスDVDセット商品]
収録タイトルを見て、23巻はどちらかというとスピンオフ版みたいなものだなと思ってしまったのは事実ですが、シナリオとしてはよくできています。
原典の短編をドラマの尺まで引き延ばすとするとかなり間延びしてしまうところもあり、内容を創作して書き加えなければならなかったりするのですが、『マゼランの宝石』に関しては、2つの短編を融合させていることでその間延びが解消されています。
また、ガリデブ事件において、原典には出てこないガリデブ姉妹が登場しますが、これが良い味を出して、ドクターワトソンを振り回します。
ワトソン、女性に弱いなぁ。こういうシーンよく見る。そして他人とあまり関わりたくないマイクロフトは極力この姉妹と距離をとっているあたりも実はよくできてます。
ディオゲネスクラブで普通に声を発しているところとか、なによりマイクロフトが「動く」というところに予定調和の違和感があるにしても、二人の紳士が奮闘するのはとても魅力的です。
ちなみに、同時収録の『金縁の鼻眼鏡』に関しても、エドワード・ワトソンが不在となっています。当時の撮影スケジュールでどうしても出演できなかったからだそうで、こちらでもマイクロフト兄さんが奮闘。ホームズ兄弟がタッグを組んで事件に挑んでいます。
この1枚、マイクロフトファンにしてみれば、必見の1枚と言えるのかもしれません。
英国紳士を考察2「瀕死の探偵」
好きな作品は何かと尋ねられたら、
真っ先に答えるのは「瀕死の探偵」。
コカインやらなんやらで体もボロボロだし、
事件に没頭している時は何も食べないで内臓ボロボロだし、
その辺の悪漢くらいになら勝てるくらいの柔術の腕を持っているにもかかわらず、
時々負傷して帰ってきて傷だらけだし、
常識人には意味も分からないことをブツブツ呟いているのはまあまああることだし。
作品としては物語後半の話なので、
そこまでのストーリー全てを楽しんできた読者だとしたら、
「今さら何言っているんだ、常に瀕死だろうが?」
というツッコミを入れたりもします。
そういう意味では、タイトルから惹かれた作品だったりもします。
冒頭で、「マジで瀕死なんだな」という始まり方をするから、
このストーリーはいいのです。
結婚を機に、ベーカー街での共同生活から離れて新居での生活をしていたワトソンは、
ホームズの「瀕死」っぷりをハドソン夫人から聞いてベーカー街に駆けつけます。
「もうとにかくすぐにでも死にそう」と言う夫人の言葉通り、
探偵は高熱にうなされ錯乱し、ベッドに横たわっています。
ここでホームズがうなされている理由が牡蠣の繁殖能力だというのが、
僕のお気に入りポイントです。
「牡蠣が~! 牡蠣が~!」
なぜドイル氏がこのワードを錯乱したホームズに言わせたのかを知りたいくらい。
グラナダ・ホームズでも、牡蠣のシーンを忠実に再現てくれているあたり、とてもうれしいのです。
ソファに横たわり、
牡蠣に怯えて頭を抱える憔悴しきった(演技)のホームズの姿を見たときは「ブラボー」と叫んだくらいです。
ベッドにいないのかよ!
ワトソン、意外と近くまで行ってんな!
という小さいなツッコミはありましたが、
完成度の高い再現ドラマだったと思います。
今回の敵であるカルバートン・スミスを逮捕したのち、
ぼさぼさの髪のままで仮病に使った道具を、
ワトソンにちょっと自慢げに説明しています。
三日三晩飲まず食わずで病人になりきっていた探偵に、
ハドソン夫人は胃に優しいスープを振る舞ってくれます、ブラボー!
「君とハドソンさんに危篤だと信じ込ませることが大事だったんだ」
瀕死から回復(?)した探偵が不用意にはなった一言は、
あれほどに優しいマダムを怒らせます。
「ホームズさん! あなたはロンドン1たちの悪い下宿人ですよ!」
ああ、怒ったハドソンさんも…素敵です、ブラボー。
見どころは牡蠣と夫人。
しかしこの回、原典はハドソン夫人がワトソン医師を迎えに来るところから始まるので、かなり短めの短編です。
ドラマ要素では、脚本でだいぶ書き加えられているので、
瀕死の探偵が見られるのは物語の後半だけだったりもする。
もう少し瀕死探偵部分を盛ってほしかったなぁ。
ワトソンを閉じ込めるためにダッシュで布団から飛び出してくるホームズも再現してほしかった。
シャーロック・ホームズの冒険 完全版 Vol.21 [DVD]
ところで、この「瀕死の探偵」が収録されているのがDVD21巻。
こちらの見どころは何と言ってもハドソン夫人が、
探偵の危篤をドクターに知らせるために走るシーンですが、
同時収録の「三破風館」では、
ドクターの方が悪漢と戦い重傷を負います。
それを探偵に知らせうろたえる夫人が一枚に収められています。
夫人のかわいさをお見逃しなく!