ラインヘンバッハの滝 Reichenbachfall
滝というのは、夏の暑い時期に観光するにはもってこいのスポットらしいです。
滝が好きです。
というか、水が溢れて落下する様が好きです。
音も好き。噴水でもいい。
怒られないなら、出しっぱなしの水道でもいい。
ポンプ式の井戸とかもう最高。
一生見ていられるよ、だから怒られないならねと思ってしまいます。
動画あさりをしていても、時々海外の滝に行き着いてずーと見ていることがあります。
無意識に滝に惹かれているんだなと感じます。
『世界の車窓から』は鉄道の番組と思われているでしょうが、実はその車窓からの風景が取り上げられているんです。つまり、たどり着いたらコレに出会えるよ、とかって感覚。これもお勧め。
滝といえば、ライヘンバッハの滝。
ホームズとモリアーティが最後の死闘を(なぜか素手で)繰り広げ、ホームズが勝利した(というか落ちなかった)ということで有名な場所です。ホームズファンの間では。
僕は当初、これを架空の場所だと思っていたのですが、スイスに実在する滝であると聞いてしまいました。
聞くと行ってみたくなるという好奇心はありますが、残念ながら凡人は何より海外が苦手。飛行機がすこぶる苦手。ヨーロッパまでの飛行距離、不可能。
その選択肢、皆無。
本当に英国紳士に憧れているのかという疑惑が生まれまくっておりますが、憧れるくらいいいじゃないか!
ということで、世界の滝の動画再生に留まり、「現地まで滝を観るために赴く」には及んでおりません。
日本でも滝は見れるということで、ラインヘンバッハには絶対似ていないだろうなりに、いくつか滝巡りをしたことがあります。
憧れる滝はラインヘンバッハなので、まずは日本一の落差の富山・称名滝(しょうみょうだき)へ。
雪解け水により水量が上がり、滝壺へ飲み込まれるというような構図を求めていったために、春先を選んで観光に出かけたました。
コレがよくなかった。
なにより寒い。
まず寒い。
かなり寒い目にあい、
「滝に出会う前に凍死するんじゃないだろうか、この観光地で!」
と一人でブルブル震えていたことを思い出します。
まさに会いたくて会いたくて震える…。
カナ、的確。
我慢して辿り着いたそこに、理想どおりのラインヘンバッハの滝があって感動しました。
この表紙がその場所。
一直線の滝よりも段差にぶちあたって水流が折れているところが、想像力を掻き立ててくれます。
あの辺で教授と組み合っていたのかな?(ここ富山だよ)
とか
どのタイミングでホームズが助かったのかな?(だから、日本だってば)
とか
を想像して水音を聞きながらしみじみと眺めている
…と、マジで凍死するって! マッチ売りの少女ばりの緊張感だよ!
早々に退却しました。
誰か寒いんなら寒いって教えといてくれてもいいじゃないか!(今思えばどのガイドにも書いてあるし、常識で考えても判りそうなものではありますが)
温泉宿を予約しておいて正解だったよ。
ああ! 日本人に生まれて良かった!
実際には温泉に浸かってた思い出しかありません。
栃木・華厳の滝(けごんのたき)にも行きました。
音はとてもすごかったので、滝っぽさがよかったです。距離も近い感じがしたので、圧倒されました。
天候によってかなり印象が変わってしまう滝も多いらしい。実際、本当は1本の滝を見たくても、結局流れこんできた別の滝があってラインヘンバッハではなかった冨山の滝はちょっとだけ残念。それに滝は名所とあって客も多いんですよね。
出来たらどちらも物悲しい雰囲気をかもし出していてほしいので実は観光シーズンをはずして行ってみたい。
一人がいい。
孤独が僕を守ってくれるから。
しかしそれはきっといろんな人に止められるんだろうな。怪しまれるんだろうな。
別に誰かを殺しに行くわけでも、
自分が飛び込むわけでも、
『マドンナたちのララバイ』を唄いたいわけでもなくて、
ただホームズの気持ちになりたくて行くだけなのに(なら日本国外に行けよ)。
この夏、とても暑かったのでそんなことを思い出していました。