マスターキートン (MASTER Keaton) 平賀=キートン・太一(Hiraga=Keaton Taichi)
今回の憧れ英国紳士は、漫画から。
…雑多だな、このブログ
と自分でも思っています、いますとも、はい。
英国紳士というにはちょっと異質な扱いではあります。
正確にはハーフなので、純粋な英国紳士ではないですが。
そして書いてて気付いてしまいました。
お前が憧れるのって、結局イギリスで、結果探偵なんだな、と。
人気漫画家、浦沢直樹先生の代表作です。
世間的には、『20世紀少年』の方が代表作となるのでしょうが、
僕の大好きな作品はこちら。
ちなみに、スポーツ漫画としては『YAWARA』が代表作になるのでしょうが、僕は『HAPPY!』の方がストーリー的にお勧め。
マイノリティにもほどがある…って、どうでもいい情報だな。
タイトルの『キートン』は主人公の名前、平賀=キートン・太一から。
典型的な日本人の父と英国人の母によるハーフで、エリート大学卒業。
考古学者を目指してはいますが、現在は大学講師。講師としての評価は低く、自分の論文を発表するのが目標のため席を置いているだけに過ぎないのですが、講師だけでは生計が成り立たないので、海外に行って保険調査員(オプという名の、いわゆる探偵)の副業を抱えています。
学生時代、熱愛で結婚しますが、娘を授かった後に離婚。原因は自分にあるからと鍛えなおすべく英国軍隊に入隊し、自ら過酷な戦況を選び続け、元SASのサバイバル教官(マスター)にまで上りつめます。
ということで、マスター・キートン。
オプの仕事はときに命がけだったりするのですが、サバイバルの経験と知識を使ってピンチを切り抜けたり、犯人を追い詰めたりします。
物語はシリアスなものからハートフルものもあり、ハッピーエンドだったりバットエンドだったり、考古学やら専門的な話やらで多岐にわたり、なかなか読み応えのあるヒューマンドラマです。
いらない雑学がいっぱい入ってきます。
キートンはおよそ調査員らしからぬ風貌で緊張感なくほんわか現れるので、実はあなたに目をつけてましてねというギャップ感が漫画の面白いところ。
一番当てはまる言葉はスマートとでもいいますか。
ちょっとした振る舞いから、母親の英国紳士たれという躾があったのだとうかがえます。
さらりと紳士。さらりと解決。
一見ドンくさそうなのが(実際ドンくさい)、ピンチのときに頼りになるのです。
なんてスマート!
そしてエリートを出さないところも彼の魅力です。
時々ドンくさい父親の元に顔を出す一人娘に、
別れた嫁の代わりかがみがみ小言を言われたり、
自分よりももっとだらしない父親(特に若い女の子と動物にだらしない元・動物学者)に説教したりと、
人間くさいところも描かれているのがいいんです。
そして浦沢漫画の隠れた魅力である「食べるシーン」が、また人間味を出している!
僕の憧れる探偵はおよそ食べることに興味が無い方々が多いので、
彼はそこだけ異質かな。
そして調査員はあくまで副業なので、
辞めることを前提としているというのも面白いところかも。
連載が終わってから、再度不定期に特別編が何回か発表され、
近年になってReマスターが刊行されました。
根強い人気作です。
アニメ化もされているので、ご興味が出たらミスターキートンの英国紳士っぷりをどうぞ。
タイトルの基になっているのは言わずと知れたバスター・キートン。
名前は知っていたし、代表作は数本観ているはずですが、
僕の笑いのツボにははまってくれず、全く印象に残っておりません。
おかしいな、チャップリンはかなり好きなのに、
ロイドもキートンもまったく忘却のかなただ。
やはりイギリスじゃないとだめなんだろうか?
試しに観た、ミスタービーンは割と面白いと思った。
ああ、やっぱりイギリスだよ!
余談ですが、先日この漫画が大好きだという大学生と会いました。
その子と盛り上がる中、バスター・キートンがもとであるということ気付けていない世代がもういるのだということを思い知らされたジェネレーションギャップよ…。
※そいつはチャップリンも「番組名?」といいました。こわい…