凡人の映画鑑賞 ~敗北編~
映画は公開期間中を目指して映画館で観るようにしている…方です。
自分で言うのは少し照れます。
昔よりも時間が十分にとれなくなってしまっているのは事実なので、全部見ているかというとそうでもなくなってきてはいるのですが、人よりは映画館に行くようにしています。
ただし、人と一緒に行くことはしません。
映画鑑賞に集中したいからです。
そもそも映画館にわざわざ行くのは、CMや意図的・時間的な編集のないバージョンを中断されることなく楽しみたいからで、隣に人がいることはとてつもなく注意力を削がれるのであまり良しと思っていません。
まして、隣が知り合いだったりすると
「これ、楽しめてるかな?」
とか
「今のがツボっているのは僕だけか?」
といった謎の見方をしてしまうので基本鑑賞は一人で、そして早めに行くようにしています。
早めに行くのは、期間的にも時間的にも。
その方がスペースに空きがあるからというのが一番の理由です。
さて、基本的にと言ったのは例外もあるからです。
それは誘われた時。
自分から誘うことはないのですが、誘われた時はその人と行くようにしています。
世の中には僕とは逆に一人では映画館に行けない人間もいるのだと知り、そういう人は映画館に行く人を誘いやすいのだなと知りました。
映画の好みは自分目線に偏ってしまいがちなので、新しい世界を知る意味でもそのお誘いには前向きに乗っかります。
だから誘いにのっております。友人よ、ありがとう。
そんな僕が先日友人に誘われて行った先で、令和最大の駄作に出会ってしまいました。
まだ始まったばかりの令和に対して何かをつけるのは実は嫌い。
「令和の怪物」って名前を令和元年につけられた佐々木投手に関して言うと、なんかかわいそうと思っています。
だから、令和最大というのは失礼かもしれない。
でも、だとしても、で・す・が、今後これ以上の駄作に出会えるかも疑問で!
友人が僕を誘ってくれたことを後悔するほどの!
誘いにホイホイのった自分に反省するほどの!
この時間別のあれが観たかったと大喧嘩するほどの!
そのくらいの…2時間。
映画鑑賞に集中することに集中したのは僕史上初めての経験です。逆にすごいよと思ったくらいです。
作品は『ヲタクに恋は難しい』。
友人が原作のファンで、
その彼女がアニメ化したファンだということで、
謎に僕が誘われたという経緯です。二人で行けよ。
ちなみに、どちらもチェックしておりますが、僕は原作派ですかね。
アニメ化に関しては賛否ありましたが、原作ファンに言わせると設定を崩さずにやれていた世界観は良かったという意見に賛同できます。
※画像はアニメ中、正体をばらされることなく終わったコウくん
そしてこの度の映画実写化。
映画「ヲタクに恋は難しい」The Songs Collection by 鷺巣詩郎
静寂の映画館で、サルがひき殺されたような声を上げそうになりました。
まだ公開中ですから、ざっくりだけ言います。
観に行きたいと思っている方、期待されている方は読まない方が…。
〈以下、自主規制〉
前置きとして、僕は根本的にミュージカル的映画が苦手です。
唐突に歌いだすという舞台は、その役者さんの歌声も聞きたいという宝塚的な要素はあると思います。しかしそれを映画でやられても…と思っている人間です。
しかし映画ファンとしては話題となった『ラ・ラ・ランド』も『レ・ミゼラブル』もその他のものもちゃんと映画館で観ています。
避けてきたわけではない。むしろ、トライトライ!
ミュージカル作品が苦手ではあるけど、基本的には2時間を感じなかった作品が多かった。つまり面白かった部類だったのだと気づいたのです。
そう! この映画実写化、ミュージカルなんですよね。
そして作中に入れこまれたその曲数が多くて長くて観てられなくて、苦痛。
OPから苦痛。
心理描写のたびにそれぞれ歌いだして苦痛。
酔ったらいきなり歌いだして苦痛。
必要要素だったのか原作キャラがかなり崩壊していて、先輩コンビの絡みシーンがほとんどなくて、無駄なサプライズ要素足されて大変苦痛!
んー、この手の作品は申し訳ないけど原作読んでいる組が行くのが当たり前だから、新規開拓なんか狙ってくれるなよ。原作によせていくべき。
そして主人公の女の子が腐りきっている腐女子で、
その彼氏は俳人レベルのゲーマーのはずなのになってない。
二人とも沼が浅い…なんもヲタクしてない! なんだったらふつう! 当たり前か、一般人だし非オタだもんな。
僕個人としての見解です。
高畑充希の起用に関してはミュージカルだから歌える女優をということだったんだと思うけど、もっと本息のヲタクを鍛え上げないと観るに堪えないのだと知りました。
別にショコタンはやっぱり違和感なくオタクだもんなぁ。イタいの意味が違う。演じるって違うのね。
あと、彼女はこの映画を撮って作品になるまでの空白期間の間に、ドラマで独特なキャラを毎回やりすぎていたという実績の問題。
さほど意外性がなかったというのもつまらない要素の一つだと思ってます。
『忘却のサチコ』も
ドラマスペシャル 「忘却のサチコ」【テレビ東京オンデマンド】
※忘却していないところが納得いかないポイントではあったが
『同期のサクラ』も
そんなに痛く感じなかったのになぁ。
※これ、元の軍歌とか知っている世代がちゃんといたのか調査したいくらいの納得いかないタイトル。
あああ、すみませんすみません。あまり書かないつもりで、がっつり語ってしまった自分に反省しております。
時を戻そう。
かくして、後半はほとんど砂を吐きながら観ていました。
二時間返せ。
ちなみに一緒に行った友人たちも途中から砂を吐いていたそうです(言ってよ)。
大人な僕たちは途中退室することなく、苦行を乗り切ったのです。
帰り道の解散前の飲み会には、おかげさまで花が咲きました。
でも出来たら、楽しいお酒がいいです。そっちのほうがおいしいから。
さ、原作読みなおそう!
あ、原作がさらに好きになりました。
そして、今日ケンタッキーにしたい?