凡人が憧れて17 ~憧れは主に面白さ~
凡人は、実はお笑い芸人にも憧れています。
だから大好きです。
話題となりました、『全力! 脱力タイムズ』激しく観ました。
はっきりと6回繰り返し観ました。
半ば諦めていたアンタッチャブルの復活。だって9年ですからね。
2010年2月の柴田さんの事実上の休養により、
ずっとピン芸人のように、いや、そこらのピン芸人以上に活躍してきたザキヤマが、
そしていろいろあったけど最近ようやくテレビに復帰していた柴田さんが、
それぞれに力をつけて伝説の漫才ここに復活。
大笑いして、涙しました。興奮しました。
マジ泣きでした!
ネタのチョイスも良かった!
ファストフードのネタは代表作です。
練習してなくてもあんなにできるもんなんだな。
以前、熟練コンビは目隠ししてヘッドフォンを装着したとしても、漫才が成立するかという企画があって、それにオードリーが挑戦したというのを観ました。
春日のズレたテンポに絶妙にズラして突っ込むオードリースタイルは、他の誰にもできないわけですが、
「嫌いだったらお前と漫才してねぇよ」
「えへへ」
(礼)
「バァイ!」
ぴったりそろって終わって、ちょっと鳥肌たったことがあります。
あの時以上に、鳥肌立ちました。
多くの芸人が喜び、そして今活躍している漫才コンビが絶賛し、歓喜し、そして恐怖したと思います。
まさに【全芸人が泣いた】です。
まず今までどおり小手さんが出てくる演出。
柴田「だって絶対違うモノ!
過去の三回もふまえた柴田さんのリアクションでしたが、小手さんのザキヤマさん似すぎじゃない?
ネタがとんだという設定だったけど、完コピくらいお手の物だろうから、小アンタッシャブルも最後まで見たかったなー、というほど小手さんのスキルが高かった。
そして一旦裏にハケた小手さんを連れ戻す体で裏に行く有田さん。
柴田さんの「もう一回やります?」良かったな。人が出てました。
そして次の瞬間!
手を引いてスタジオに戻ってくる、あくまでザキヤマのマネをしているという小手伸也という立ち居地のザキヤマさんと有田さんの後ろでは、『てってれー!』のBGMがずっとかかってました、僕の脳内。
大成功ですもん。視聴者すら巻き込んだ、これぞホントのドッキリ大成功!! みんなが幸せなドッキリ。
スタンドマイク抱えて真剣にひっくりかえる柴田さんも良かった。
柴田「バカ、だめだって。お前、違うってマジで」
騙されてゴロゴロしてるとこも、ジャケットを脱ぎ捨てて腹をくくる姿も潔くて最高だった。
そう、思い出しました。
アンタッチャブルの基本スタイルはザキヤマさんの自由奔放っぷりに柴田さんが振り回されてキレる寸前の、なんならキレて限界で、けんか腰レベルだったりする漫才でした。まさに真骨頂。コレがつまりスタイルなんですよ。
ブランク10年で真骨頂やれちゃうんですよ。
練習してないのに、満を持してが出せるんです。
伝説の魔王が復活してしまったかの様な厄介度合いです。
これである程度の実力で今のポジションにいる若手の枠が一つ奪われました。
少し前にも記事にしましたが、ある程度売れた芸人はMC枠に座ってしまい、ネタを全く(テレビではという人も多い)披露してくれなくなります。
それに当てはまる世代がちょうどM-1全盛期時代です。
そういう意味を含めて、M-1優勝者がネタで復活してくれるというのはとてもう嬉しい僕ですが…。
よくよく考えると、しばらく謹慎が確定したチュートリアルとの入れ替わりとも言えますね。うぅ…。
今吉本が揺れている分、安定の人力舎が大躍進中というところでしょうか。
いや、揺れているお笑い界だからこそ、みんなで乗り切ってほしい! 生き残ってほしい!
僕はテレビが面白くなくなったとは思っていない、フジが衰えたなんて全く思っていない人です。
テレビでできなくなったことが増え、だからネットに逃げているだけなんです。アベマTVレベルのことなら、昔の深夜番組ではぽんぽんやっていました。
ネットの影響力の方が上となってしまったら、そっちにだってどんどん規制がかかっていきます。
ビールと発泡酒と第3リキュールのように、逃げ道だけを造るだけで品質は落ちまくるいたちごっこになっていきます。
バラエティーが良い形のまま生き残ってくれることを、僕は心底祈っております。