凡人が憧れて14 ~サービスの商品化~
サービスマンというのは、レストランにおけるサービスをする人のこと。すなわち給仕の方、わかりやすく言うとホール係です。
料理を運んでくれたり、ワインやお水、ナプキンなどに気を使ってくれたり、お客様に対しての最大限のサービスをする人。
サービスという形のないモノを「サービスする」という商品としている人達です。
これって前に書きましたけど、『執事といえばセバスチャン』に通じるところがある仕事だと思いませんか?
立ち居振る舞いがもう紳士。
さらに精神が紳士。
ホール係よりは料理人のほうが向いて(いると勝手に自分で思って)いた僕は、アルバイトでも常に厨房に入っていました。客前よりも食材前の方が落ち着くからです。
というか、人見知りだからです。
とかいって、手が空くとホールをまわって片付けなどもさせられていましたけども。
これって不公平。
サーヴィスは厨房には入らないけど(料理はしないけどという意味)、料理人はホールもするという意味でなんかサーヴィスマンは特別感があります。
まあ、接客業で服が汚れると問題ですしね。基本的にはスーツだから。
厨房の人間はコックコートのままで客前に出たところで、それが正装でもあるので許されるわけです。
常にスーツでいる気遣いも大変ですよねー。
汚しちゃいけないってしんどい。向いてないな、やっぱり。
結局サービスマンにも憧れるばかりで終わっています。
僕がサービスマンに向いていないと思うもう一つの原因として、客の理不尽に多分キレる気がするからです。
このブログ読んでくれてる人にはなんとなく伝わっているかと思いますが、気になったことはかなりしつこく調べます。自分が納得いくまで。
逆を言うと、納得いかないとムカつくというのがあります。飲食店での、特にアルコールの入っている客の我儘はもはや説明のつかない理不尽です。
それをスマートにかわせる自信がまったくもってありません。
だって同列でお酒を飲む客として聞いていても、理不尽だなーとか、忙しい店側にそれを言うなよというようなことしょっちゅうですから。
かわいそうになってくることもあります。
サービスマンって忍耐勝負だな。
僕は映画を観るのが昔から好きだったので、試写会などの抽選があるとハガキをせっせと出しているタイプの人間でした。なので、駄作にやたら意味のないストーリーの映画もたくさん観てきた方だと思います。
そのなかに、サービス専門職・コンシェルジュを取り扱った作品がありました。
…マイケル・J・フォックスの悲しさは、身長だろうか?
せっかく顔も良いし、人気俳優なのに、この作品でどんな印象が残っているかといえば、スーツがあまり似合わないなということ。
いや、彼のせいではない。きっと『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の印象が強すぎたんだ。
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僕がこの作品が大好きだということがなによりも問題なんだと思います。SFとしてもとても評価が高い…1のみ観て、終わっている人は、ぜひ一気に3作観てください。
多分感想が変わります。見ごたえあります。
比べて、『バラ色の選択』とういこの作品、どちらかというとドラマでやれよというくらい内容が薄かった。
だってタイトルで内容バレるって最悪の作品だと僕は思っているわけです。映画観る楽しみを一気に失う。
見る側の楽しみはとっておいてほしい!
日本語翻訳って本当にこういうこと多いよな。まったくどういう理由でこんな邦題をつけるんだ。原題が泣くぞ!と言いたいことが多い。
ということで、原題を調べてみるわけです。
邦題『バラ色の選択』
原題『For Love or Money』
うーん…
…原題、ひどいな。
さらにひどいパターンもめずらしいな。ひねりも何もないよ。よくこれで企画書通ったな。心配してあげて損したよ。
※作品ストーリーを簡単にご紹介。
コンシェルジュのマイケル・J・フォックスの夢は、お金を貯めて理想のホテルを造ること。その夢にのってくれたスポンサーの彼女が、彼が思いを寄せていた女性。さあ、恋に生きるか、金をとるかって言う話です。
『バクマン』でサイコー達が自分たちの作品につけたマンガタイトル、
『この世はカネと知恵』
くらいひどいよー。
あ、サービスマンの話でしたね。
お客様対応のサービスマンを題材としたものとしては、『HOTEL』がベストの作品でないかと思っています。
石ノ森作品なのですが、ぴんと来ない方は、こちらならご存じかも。
長編シリーズなのでどれがお勧めということもないのですが、お馴染みのシリーズです。
毎回毎回間違いなく厄介な客ばっかりやってくるホテルです。毎回毎回殺人が起こる『名探偵コナン』ばりに存在が厄介です。
次男の立ち居振る舞いもご存じでしょう。
でも今改めて観るとたいしたことはしてないんですよね。よっぽどの客ってあまりいない。
…つまり、現代においてはドラマの世界よりも現実世界の客の方がモンスター化しているということになるのか? それに慣れてしまったのか…。
嫌な世の中になったなぁ。
まあ、どんな小さなことにも
「ねぇさん、事件です」
という高島さんちの息子さんにも、注目できる、すこぶる懐かしい作品です。
サービスマンたるもの、が何かを知るとてもよい教材だと思います。
向いてはいません。でも憧れてます。