凡人が憧れて13 ~瀕死の一撃~
先日、僕が友人夫妻とそのお子様とお食事に行ったときのことです。
大きなパフェを注文したその子は、
やってきたパフェと一緒に「写真をとって」とママにせがみます。
ママも一緒に写りたいということになり、パパがスマホを構えます。
微笑ましい家族の構図。
で、僕がここで気付くわけです。
とっても気になったので、気を利かせたつもりで一言言いました。
「僕が(部外者だし)撮ろうか?」
子供「いや!」
痛恨の一撃!
可愛い盛りの娘(5歳)は、
何かの発表会があって普段以上におめかししていて、その帰りに食事をということになり、そこに僕も合流させていただいたのです。
僕とは数回しか会っていないし、子供過ぎて分からない頃もあったので、
懐いていないのはわかってましたが、なかなかの拒絶にダメージダメージ。
すると今度は、5歳の女の子が僕に気を使うのです。
「あ、じゃなくて! パパとがいや!」
クリティカルヒット!(パパに)
もう5歳くらいで女の子は女の子なんですね。
おめかししている自分と、インスタ栄えするパフェと、やはりおめかししているママとで1セットで、そこにパパの入る余地なんてないんだそうです。
家にいつも一緒にいるママに懐いてしまうのはわかるけど、パパを拒絶するのも早いなー。
せめて彼氏ができるくらいまではパパにも夢を持たせてほしいと思ってしまうじゃないですか。
子供がいないながらに、切なくなってしまいました。
「お前、なんかしたの?」
「何もしてないよ!」
無罪と無実を主張するパパでしたが、
「だからでしょ!」
嫁からの鋭い一言が後ろから一刀両断の太刀を振り下ろされました。
おお、遊び人よ。死んでしまうとはなにごとか。(暴言)
別に彼が遊び人だと決め付けるわけではないのですが、それでも少なくとも家族からはそう思われているわけです。ダーマ神殿で希望の職業に転職、もしくは心を入れ替えて、娘に好かれるパパになるか、です。
まあ、そう簡単に自分を変えられない結果が、今の嫌われっぷりなんでしょう。
結局、パパのポジションはパフェに奪われ、女子の写真を撮ることになりましたが…、最近の子供はカメラ慣れしてますなー。
スマホを向けただけで、自分の良い角度に顔と身体を瞬時に変えるのもまた素早い。
右側から撮ってほしいとか、首をかしげて角度をつけて髪を揺らしたりとか、撮影した写真チェックするとか、誰に習うんだろ?
産まれたときから常に撮られ続けていると、こうなるのか。
カメラ簡易時代の恐怖だ。
ママと二人でインスタあげてキャッキャッッしているのはもう女子だったな。
そんな二人をみつつ、僕たちは帰りに一杯飲むかという流れになって、その場を離れました。
結局娘はママと一緒に買い物をして家に帰り、パパは外に呑みに行ってしまうわけっです。
「だからでしょ!」
もう一度、彼の妻のとどめの一撃が心の中で聞こえましたが、酒を飲んで悲しみとともに忘れることにする傷心の男どもなのでした。