凡人が憧れて9
先日、友人との会食がありました。
いわゆる飲み会です。
そのうちの一人が、マネークリップを使用していて、なぜかわかりませんが、なかなかの違和感をもちました。日本人のマネークリップ?と思ったら、現在流行りなのだそうですね。
流行には疎い凡人です。
[タバラット]マネークリップ メンズ 日本製 真鍮製 コンパクト ブランド 薄型 札ばさみ おしゃれ サテーナ加工 Tps-006
たしか、これ。
彼に理由を尋ねたところ、
「オシャレですよ」
というご回答をもらいました。
続けて、
「なんか、ジェントルマンっぽくないです?」
と。
その言葉に、ピクッと反応。ん? 僕にじぇんとる語るとか?
「僕の憧れるジェントル(紳士)とはぜんぜん違う気がする…(勝手)」
わざわざ世の中に順応している友人に対して、暴言を吐く僕。
「え? だめすっか?」
ぜんぜんダメじゃないです。でも納得はいかないです。だって、違和感は払拭できないのですよ。
流行にものっているし、オシャレを公言しているのに、
何でこんなに違う気がするんだろうか?
そもそも日本にはマネークリップの文化はつかないと思っています。
要素としては、
・やっとのことで電子マネーが流通してきたが、まだまだ現金市場主義=財布を持つのが一般的
・チップをすっと置いて帰り、「小銭はいいから」というスマート文化がない
・「裸銭」という言葉があるくらい、印象が悪い
などがあげられると僕は思っています。
海外に行くと一番戸惑うチップという文化。きっちり主義の日本人には大分ハードルが高いです。
電子マネーの流通により小銭が消えれば、財布を持つことがなくなります。ということはいずれお札を持つこともなく、だいたいのことは【ピ!】で済ます時代が来るのでしょう。きっと来ます。
とすると、お札をはさむためのクリップは必要にならない。
そんな未来が来たとして、新札が大好きな我々日本人が、折れたり汚れたりしやすい裸銭を持ち歩き、持参金の全てを行く先々で見せびらかすなんて事に耐えられるんでしょうか?
絶対無理!(僕は)
ちなみにその友人、財布はかばんの中に持っていました。
結局いろいろたまったポイントカードなどの整理が出来ずにこんな中途半端なことになっているそうです。
財布を持っている以上、かさばるのが嫌でマネークリップにしたという言い訳はさせません。なんなら、はさんでいない別の金も財布に入っていました。やはり全額見せびらかすのは抵抗があるようです。
さすが生粋の日本人。
さて、そのときの会話。
「…無駄じゃね?」
「お札払うときはスッと出て便利なんだよ」
「小銭は?」
「もらうと邪魔だから、小銭が出る買い物は電子マネーにしてる」
「使い分けるくらいなら全面電子マネー化しろよ」
「割り勘とかって話しになるとめんどくさい。はい、2,300円」
あー、わかるわかる、と全員が2,300円ずつ払う激安の赤提灯の店での飲み会。
の、会計シーン。
紳士になんてまだまだなれず、
ジェントル愛用の小物もまったく使いこなせず、
スマートなんて無縁な人種。
赤提灯で焼き鳥で緑茶ハイが大好きな日本人の飲み会での出来事でした。