英国紳士に憧れて

格好いい英国紳士になるべく、日々の精進と思いをつむいで。主にホームズについて。

凡人が憧れて2

僕の通っていた中学校では、年に2回ほど洋書を販売する書店がやってきていました。

サンプル本を並べて展示し、注文リストにほしい書籍を書いて提出すると、後日学校に書籍が送られてくるという流れでした。

洋書だったので比較的高価ではありましたが、それでも本の購入にだけは寛大だった親は注文商品には快くお金を出してくれたものです。

ただし、実際に購入していたのは僕が当時大好きだったアメコミだったということがバレてしまい(金額だけを言っていたという小狡さ)、

「マンガなんかにこんなに金を払えるか!」
と本ではなく親の怒りを買ってしまいました。

まあ、当然と言えば当然の結果なのですが。

その後、購入の際に厳選なる審査が必要となってしまいました。

うまくごまかしまくって、洋書独特のすごく甘い香りがする『スパイダーマン』と『PEANUTS【スヌーピーシリーズですね)』を本棚にコレクションしていたんですが、ここまでで断念。

とはいえ、何とか購入してもらえるものはないかと、親の説得材料を物色していた時に発見しました。

グラナダ版シャーロックホームズの冒険 完全版脚本シリーズ』

シリーズということで、一話ごとに1巻となっていて、表紙は主にホームズとワトソンが2ショットでいるシーンを切り取られていました。
グラナダ・ホームズ。つまりはブレッドとエドワードの二人です。
※初期シリーズはあまり脚本化されてなく、エドワードワトソンの作品が多かったように記憶しています。

洋書にありがちな不思議なサイズで、本当に脚本部分だけをト書きなしで文字に起こしたもの(もちろん英語)でした。多分(あまりに古くて記憶が曖昧な点は否めません)。

サンプル展示でこれを見つけたときの僕は、大声で叫んだものです。
「素敵な本屋さん、ありがとう!」
さて、ここからは親に強請ります。交渉です。

これを教材として、VHSに毎週録画してあるNHK放送ホームズを再生しながら、英語の勉強をするから! 英語の勉強になるから! 英国紳士になるから!(?)

公明正大な説得材料を手に入れた僕は、シリーズ制覇を目指すことに。
と言いたいところですが、こちらの商品は注文しても全然手元に届かない巻が多かったので、所有しているのはとびとびの巻数でしかなく、コンプリート体質の僕のコレクションとしては少々グレードの低いものとなっています。

大人になり、シリーズをそろえたいと思ったのは当然ですが、どうしてもこちらの商品は探しきれず、いまだコンプリートならず。

永遠の探しものです。

 その後、脚本だけでなく原作を翻訳なしで読みたくなってしまい、凡人の僕は英語を本格的に学ぶことになるのですが、憧ればかりで身に付かなかったという話はまた次の機会に。