英国紳士に憧れて

格好いい英国紳士になるべく、日々の精進と思いをつむいで。主にホームズについて。

シドニー・パジェット(Sidney Paget)

ドイル氏が生み出した名探偵を具現化し、そのイメージを世界的に決定付けた人の名前ですが、実はあまり知られていなかったりします。

 

パジェットとは、ストランド誌に掲載されたホームズの連載に挿絵を描いた人物です。

彼の描いたホームズがつまり、僕の理想の英国紳士の形となります。

 

シャーロック・ホームズ入門百科 (河出文庫)

※表紙はシドニー・パジェットの挿絵

 

グラナダ・TV制作は特にパジェットの挿絵に忠実で、再現率はいずれも高いのですが、

『最後の事件』のクライマックスシーンは圧巻の出来です。

ドイル氏がホームズシリーズの最後の作品として書いたストーリーの挿絵なので、名探偵ホームズとその宿敵との死を読者に強く印象づけました。

パジェットの滝の描写も正直すごいんですけど、その風景そっくりのロケ地を見つけるグラナダスタッフにも敬意を表したいです。

 

滝壺に一緒に墜ちたことになるモリアーティ一教授がベーカー街を訪れるシーンも挿絵がありますが、グラナダTVではエリック・ポーターがその役を演じました。

ここにもまた一人、「理想としていた人物が動いている!」と僕を驚愕させた名優がいます。目のくぼみ方から、シワの深さまでがもうパジェットの絵そのものなんですから。

 

ファンの切なる願いで一度は終わったホームズシリーズは、「空き屋の冒険」によって復活するのですが、その後もパジェットはイラストレーターとして起用されました。

他の人の挿絵でイメージさせるのはもう難しいところまで行ってしまったからでしょう。

僕も実はパジェット以外の挿絵が入っているホームスシリーズはわりと抵抗があって、読むのを後回しにする傾向があるくらいです。